中古車輸出は儲かるのか?── 現場で見た“本当のところ”と、儲けの落とし穴

「中古車輸出は儲かるらしい」——そう聞いて調べると、たいてい「1台あたり利益◯万円」という皮算用に行き着きます。けれど、その数字どおりに進む人は、多くありません。儲かるかどうかを本当に分けるのは、利益がどこから生まれるかと、多くの“始め方”記事が書かない、参入してから待っている現実を知っているかどうかです。そして——なぜ、参入するだけで100万円近いコンサル費用を払って始めなければならないのか。AIに聞けば何でも分かるこの時代に、なぜそこにお金をかける必要があるのか。その疑問も含めて、ここでは正直に書きます。

利益の正体は「価格差」――“終わった車”が、海外では現役

仕組み自体はシンプルです。国内ではもう値がつきにくい車が、海外では今も価値を持っている。その価格差が、利益の源泉です。

たとえば走行20万kmを超えたハイエースやランドクルーザーが、現地では当たり前のように現役で走っています。ハイエースは乗合タクシー(マタトゥ)として、プロボックスは商売の足として。事故歴や過走行、不人気カラーで国内では査定が伸びない車も、海外では事情がまったく違います。アフリカでは日本車が市場の7割を占めるとも言われ、仕向け先によっては輸入車の9割が日本の中古車という国もあります。

理由は、日本車の耐久性への信頼、部品の入手しやすさ、そして車検制度のおかげで車両状態が揃っていること。右ハンドルのまま乗れる国も多い。走行距離や年式という“ものさし”そのものが、日本とは違うのです。

国内の相場で「もう終わった車」が、海外では「まだ欲しい車」。
その評価のズレが、利益になる。

――ここから先は、ネットの記事を集めただけでは書けません。実際に現地へ足を運んだ人間にしか分からない、経験者だからこそ話せることです。

現場で見てきたこと――東アフリカの内陸で

数字や仕組みの話は、どの記事にも書いてあります。けれど私は、自分の目で確かめたくて、実際に東アフリカの内陸まで足を運びました。

ケニアのモンバサのような港町には、すでに大手の業者が何社も入っています。けれど一歩内陸に入ると、輸送の手間もあって、日本人の姿はぐっと少なくなる。そんな土地で、現地で実際に商売をしている仲間や知人を頼りに、「いくらで売れているのか」「どの車種が人気か」「何が売れ筋か」を聞いて回り、自分の足でもリサーチを重ねました。

内訳はここでは省きますが、率直な実感をお伝えします。日本で同じ車を売ったときの利益の、数倍は狙える――私はそう感じました。しかも、オートオークションで仕入れた車であっても、です。※これはあくまで私個人が現地で見聞きした手応えであり、車種・仕向け先・時期が違えば結果も変わります。「必ずこうなる」という話ではありません。

ただ、現地に立って痛感したのは、利益の大きさと同じだけ「やってみないと分からないこと」が多いという現実です。内陸まで運ぶには時間がかかる。保険ひとつとっても、貨物保険を現地側で手配する取引条件なら、車が到着して保税地区(ボンド)に入った段階で現地でかけることになり、日本国内の取引とは勝手が違います。書類でも為替でも、想定外は次々に出てきます。「リスクが多い」というのは脅し文句ではなく、私自身が現場で感じたことです。

“売れる車種”だけでは、当たらない

現地で売れ筋を聞いて回って、いちばん痛感したのはこれです。「アフリカならハイエース」「中東ならランクル」といった“売れる車種”の話はよく耳にしますが、現場はもっと細かい。同じ車種でも、年式・グレード・型式・ボディカラー・内装の色・付いているオプションまで、国や地域ごとに「好まれる組み合わせ」があります。

そして厄介なことに、そこが少しでも外れると、ぱたりと売れません。人気車種のはずなのに問い合わせがゼロ、ということも起こります。とくに海外のお客様は内装の色まで細かく気にされる方が多く、ここを軽く見ると在庫が滞ります。

では、その“ドンピシャ”を机上で当てられるか。正直、難しい。膨大な情報がいりますし、流行も動きます。だからこそ確実なのは、まず一度出品してみて、実際にどんな車に問い合わせが来て、何が売れるのかを試すこと。頭で当てにいくより、海外のお客様の反応を見るほうが、ずっと速くて正確です。

“1台◯万円”の試算は、だいたい同じ皮算用の使い回し

ネットでよく見る「販売75万−仕入40万−輸送25万=利益10万円」「利益率20〜30%」——実はこの数字、どの記事もほぼ同じものを使い回しています。出典がはっきりせず、自分の1台に当てはまる保証はありません。

しかも、試算から抜け落ちがちな費用があります。輸出抹消登録、国内陸送、通関、船積み(RORO船かコンテナか)、貨物保険、そして海外送金にかかる銀行手数料。さらに、輸出抹消にともなう税やリサイクル料の還付・精算もあり、「戻るもの」と「戻らないもの」の線引きは見落としやすいところです。

加えて、入金は船積みのさらに先。代金が手元に届くまで1か月以上かかることも珍しくなく、その間に為替も動きます。だから「平均で1台◯万円」を鵜呑みにせず、自分の在庫1台ごとに、これらを差し引いて考える。儲けの数字より先に、この前提を持つことが、損をしない第一歩です。

本当の壁は、利益計算の“前”にある

そして、多くの入口記事が触れないのがここです。「儲かる」と煽る記事ほど、参入したあとに待っている3つの壁を書きません。

  1. 仕入れ(参入)の壁。古物商許可(警察署で申請・手数料およそ19,000円・取得まで約40日。無許可営業は3年以下の懲役または100万円以下の罰金)は最低限ですが、扱う内容によってはそれだけでは足りません。廃車や部品取りまで踏み込むなら自動車リサイクル法の引取業登録も必要になります。さらに「仕入れは業者オークションで」と言われますが、オークションの会員資格は古物商を取った後に一定の営業実績や保管場所、既存会員の紹介を求められる場合があり、新規参入者が最初に詰まるのが、実はこの仕入れ口です。
  2. 売り先(販路)と与信の壁。車を用意できても、次は「誰に売るのか」。越境ECに出す、現地のバイヤーと直接やり取りする、国内の買取業者に流す——どの道でも、言葉も商習慣も違う相手の信用を、自分で見極めなければなりません。初対面の海外バイヤーを信じて船を出せるか、という問題です。
  3. 代金回収の壁。輸出で一番怖いのは、売れないことより代金が入らないこと。「T/T(電信送金)100%前払いが鉄則」と言われるのは、後払いがそれだけ危険だからです。送金先の口座をメールで巧妙にすり替える詐欺(BEC)や、車が着いた後の一方的な減額・キャンセルも起こり得ます。信用状(L/C)を使えば安全性は上がりますが、中小には手数料と手間が重くのしかかります。

これらはすべて、「自分で車を仕入れて、自分で輸出業者になる」モデルだからこそ、丸ごと自分で背負うことになる壁です。利益の計算は、この壁を越えられて初めて意味を持ちます。

リスクを抱えずに、“儲かるか”を試す道

逆に言えば——すでに在庫を持っている車屋さんなら、これらの壁の多くは外せます。新たに仕入れる必要がなければ「仕入れの壁」も「仕入れ資金の塩漬け」もありません。そして、販路探し・与信・代金回収・海外とのやり取りといった重い実務は、ジャパカーが代行します。

つまり、自分で大きなリスクを抱えないまま、「この車は海外で売れるのか・利益が出るのか」を確かめられるということです。机上で皮算用するより、実際に海外のお客様の目に晒して反応を見るほうが、はるかに正確です。まずは、国内で動かない一台から。最初の90日間は無料でお試しいただけます。

「円安だから売れる」を、うのみにしない

最近は「円安の今こそ中古車輸出で儲かる」とよく言われます。半分は本当です。けれど、ひとつだけ気をつけてください。あなたの車を国内の買取業者に流しているうちは、その円安の恩恵が、あなたの手元に残ることはありません。海外の高い相場と、あなたが受け取る金額――その差額は、あいだに入る業者の利益として消えていくからです。

「円安だから高く買い取ります」。その言葉だけで、どうか判断しないでください。円安の波に本当に乗れるのは、車を海外のお客様の近くまで届けて、はじめてです。手前で手放すほど、その分け前は遠ざかっていきます。

ここで、ジャパカーのことも少しだけ。私たちには、コンサル費用も、加盟金もありません。大切にしているのは、適正な利益――出品者であるあなたが正当な取り分を受け取り、私たちもお手伝いの対価を適正にいただく、という考え方です。どちらかが買い叩く取引は、長くは続かないからです。冒頭でふれた「始めるだけで100万円近く」という世界とは、根っこのところで少し違うのかもしれません。きっかけは、ひとつの素朴な疑問でした。これだけ多くの日本車が海外で走り、現に売れているのに、それを売っているのは、日本人ではない。なぜだろう――。日本の企業様と一緒に、日本車の良さを世界へ伝える“伝道師”でありたい。ジャパカーは、そんな想いから始まりました。

最後に、ひとつだけ。現地では、日本にいた頃よりもよほど大切に、ピカピカに磨かれて走っている日本車が少なくありませんでした。型は古くても、隅々まで手入れされ、家族の宝物のように扱われている。日本で役目を終えたと思われた一台が、海の向こうで誰かの生活を支え、誇りを持って走っている。それを目の当たりにして、日本人として、車に関わる者として、胸が熱くなりました。こんなふうに大切に乗られ、海の向こうで価値を持って走り続ける――それこそが、私たちが一台でも多くの日本の中古車を届けたい姿です。

あなたの店で今、動かずにいる一台にも、そんな第二の人生が待っているかもしれません。

動かない在庫が、海外では“探されている一台”かもしれません。

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